《コラム》大物選手が続々参戦。急成長を遂げるMLSが抱える弊害

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イメージ転載元fansided.com


四大スポーツ(MLB、 NFL、 NHL、 NBA)が不動の人気を誇り、サッカー不毛の地と言われたアメリカ。


それが今やスター選手達が老後を過ごす場所として人気を博している。

サッカー人気がないとは常々言われてきたが、W杯最高成績はベスト4で、昨年開催されたブラジルW杯でもベスト16に進出するなど、国際大会でも安定した成績を残してきた。

その理由は大国アメリカらしく移民を上手く導入していることが大きい。

そんなアメリカサッカー界の転機だったのはベッカムがLAギャラクシーに移籍してきたことだった。

96年リーグ発足以降、06に年地道な成長を遂げていたMLSは更なる発展を目指し特別指定選手制度(通称ベッカムルール)を導入する。

特別指定選手制度というのはMLSが導入しているサラリーギャップ制ではなく、クラブが独自予算で選手を各自3人まで獲得できる制度で、その第1号がデイビット ベッカムだ。


選手としてだけでなく、MLSの広告塔として活躍したベッカムはその後、元フランス代表アンリや日本でもプレーしたリュングベリなどを誘致することにも成功するなど多大な貢献を果たした。

各クラブ、MLSが導入したベッカムルールを使い、その後続々と大物選手を獲得しサッカー産業の新しいコンテンツとして認知されるまでになる。


その証拠に昨年開催されたブラジルW杯はアメリカでも大きな盛り上がりを見せ、決勝トーナメント1回戦のベルギー対アメリカの視聴率はスーパーボウルに匹敵するほどだった。

アメリカの中で確実にニーズを高めつつある“サッカー”。

今季もブラジル代表のカカ、元スペイン代表のビジャらが活躍の場をそれぞれアメリカに移しており、8日に行われた開幕戦、オーランド(カカ所属 )対ニューヨークシティ(ビジャ所属)ではリーグ設立以降歴代2位の観客動員数を記録。


W杯からの流れを見ているとこれから観客動員数が右肩上がりに上がっていくのは想像するに難しくない。


しかし、ベッカムが先駆者となり導入されたベッカムルール。これが今やMLSの成長の大きな弊害となりつつある。

ベッカムルールの利点として、選手にとっては欧州や南米ほどパパラッチに追いかけられることもないため住みやすい、母国語が英語など環境面によるところが大きい。


それで貰える年俸も安くなく、ベッカムルールを利用して加入した選手は、どの選手も年俸1億以上を受け取っていて、今季オーランドに加入したカカに至っては9億近くの年俸貰っている。


ではベッカムルール適用外の選手達はどうか。


前述の通りMLSはサラリーキャップ制を導入しているため基本的にはリーグが選手達に給与を支払っている。平均で500万程度。これはJリーグの平均年俸よりも大幅に少なく、労働格差は広がっている。


これに異議を唱えた選手会は新労使交渉を行い今シーズンから、サラリーキャップ枠増加(最低年俸上限額が720万)の約束、サッカーでは異例のFA制度の導入(28歳以上の選手のみ)という新労使協定が締結された。


FA制度の導入で給料高騰も現地では危惧され、サラリーキャップ制を導入するきっかけとなったMLSの前身、北米リーグの失敗をまた繰り返すのかとの声もちらほら聞こえる。


まだまだ課題が多いMLSだが、今回の新労使協定然り、リーグが試そうとしていること、サッカーを根付かせようとする姿勢には素直に共感が持てた。


Jリーグと同じようにまだ歴史の浅いリーグのMLSだが、閉塞感をなかなか払しょく出来ていないJリーグが学ぶことは多々あるはずだ。




Tag: MLS

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